日射制御の付属部材、2026年10月から冷房期・暖房期で切り替えて評価できます
8月19日に公開されたQ&Aと、技術情報の改訂内容から要点を整理します。
2026年10月1日から、住宅の省エネ計算で日射制御を目的とした付属部材の評価方法が変わります。これまでは冷房期・暖房期を通じて同じ扱いでしたが、季節に応じて切り替えて評価できるようになります。2026年8月19日には、この変更に関するQ&Aも公開されました。変更の前後で評価結果が変わる場合があります。
変更の中身|付属部材を3つに分類する
技術情報の第三章第四節「日射熱取得率」に、次の分類表が示されます。
| 分類 | 対象とする付属部材の例 | 冷房期 | 暖房期 |
|---|---|---|---|
| 付属部材を設置しない又は評価しない | ― | なし | なし |
| 上下又は左右に開閉することで 付属部材の有無が変更可能な付属部材を設置する | 外付けブラインド、内付けブラインド※ | あり | あり又はなし |
| 上記以外の付属部材を設置する | 外付けブラインド(スラット角度調整機能のみ又は固定)、内付けブラインド(同)、和障子 | あり | あり |
※ 当該開口部の直近内側にレール等を設置する場合、付属部材の取り扱いが「あり」には付録Cの表1に示す「内付けの日射遮蔽部材(和障子を除く)」の値を、「なし」には「付属部材なし」の値を適用することができます。
ポイントは真ん中の行です。開閉によって付属部材の有無を変えられるものに限り、暖房期は「あり」「なし」のどちらでも評価できるようになります。つまり「夏は日射を遮り、冬は開けて日射を採り込む」という実際の使い方を、計算に反映できるということです。
・開口部ごとに異なる評価方法を用いることはできるが、同一の開口部に対して暖房期と冷房期で異なる評価方法を用いることはできない
・同一の開口部に複数の付属部材がある場合は、いずれか1つを評価する(または、いずれも評価しない)
・評価対象となる付属部材の定義は従前から変更なし
8月19日公開のQ&Aで明確になったこと
| Q | 質問の要旨 | 回答の要点 |
|---|---|---|
| 1 | 付属部材の定義。防犯と日射制御を兼ねる製品(ブラインドシャッター等)の扱いは | 2026年10月以前に外付けブラインドとして評価可能だった付属部材であれば、10月以降も外付けの日射遮蔽部材として評価できる(定義の変更なし)。個別製品の扱いは各審査機関へ |
| 2 | 外付けのロールスクリーンや、日射制御目的の防犯用シャッターは適用可能か | 住宅で対象の「外付けブラインド」「和障子」に加え、非住宅で対象の「内付けブラインド」が住宅の評価対象になる。レール等を設置する場合の値の適用は上表の脚注のとおり |
| 3 | 1つの開口部に外付けブラインドと和障子が併設されている場合の分類は | 複数の付属部材がある場合はいずれか1つを評価、またはいずれも評価しない |
| 4 | 暖房期の「あり又はなし」は設計者判断で選んでよいか | そのとおり。ただし「上下又は左右に開閉することで付属部材の有無が変更可能な付属部材を設置する」場合に限る |
| 5 | 仕様基準・誘導仕様基準にも適用可能か | 付属部材の取り扱いはこれまで同様(平成28年国交省告示第266号、令和4年国交省告示第1106号) |
寒冷地の実務では、どこを見るか
- 暖房期を「なし」として評価できるのは、開閉により付属部材の有無を変更できる場合に限られます。固定のスラットや和障子は、これまでどおり暖房期も「あり」です
- 北海道(地域区分1・2)では冷房期の平均日射熱取得率ηACの基準値が定められていないため、関心が向くのは暖房期側です。暖房期の日射取得は一次エネルギー消費量計算の暖房負荷に効きます
- 製品が該当するかどうかの個別判断は、資料でも各審査機関に確認するよう案内されています。建具表の段階で拾っておくのが安全です
10月以降の案件、計算側の対応はこちらで引き取れます。外皮計算 ¥25,000(税抜)〜、一次エネルギー消費量計算 +¥10,000。改正の反映を含めて対応します。料金とオプションを見る
まず相談する(入力は3項目だけ) →2026年10月に変わるのは、これだけではありません
同時に公開された「2026年10月における評価方法の変更等の概要」には、次の項目が挙げられています。
| 区分 | 変更・修正の内容 |
|---|---|
| 全般 | 主たる居室・その他の居室・非居室の床面積について、端数の扱いを明記(別記事で解説) |
| 外皮 | ガラスの仕様および付属部材の種類に応じたガラスの垂直面日射熱取得率の値が、住宅と非住宅で統一 |
| 外皮 | 日射制御を目的とした付属部材の季節(冷房期/暖房期)に応じた切り替え評価(本記事) |
| 外皮 | ダブルスキン及びエアフローウィンドウが評価対象として追加 |
| 暖冷房設備 | 主たる居室・その他の居室に暖房設備機器等/冷房設備を設置しない場合で、ルームエアコンディショナーを将来的に設置することが確認できる場合の評価の考え方を追加 |
| 給湯設備 | JRA 4090 : 2025の制定に伴う引用規格・用語の記載変更 |
| 自然エネルギー | 電気事業法等の改正に伴う「小出力発電設備」の名称変更を反映 |
| その他修正 | 傾斜したオーバーハングの取得日射熱補正係数の記載見直し(評価結果は変わらない)/給湯・入浴スケジュールの不備の修正(同) |
※ このうち評価結果が変わり得るのは外皮の3項目です。10月をまたぐ案件は、どの版で計算したかを記録しておくと後の説明が楽になります。
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【出典】国土交通省「26年10月変更予定の、日射制御を目的とした付属部材の季節(冷房期/暖房期)に応じて切り替え可能な評価方法に関するQA」(2026年8月19日公開)、国立研究開発法人 建築研究所「2026年10月における評価方法の変更等の概要」(令和8年10月1日)および「平成28年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情報(住宅)第三章第四節 日射熱取得率 Ver.21(2026.10)」表3。本記事は2026年9月16日時点の公開情報に基づく要約です。個別製品の取り扱いは各審査機関にご確認ください。制度・基準は改正される場合がありますので、実際の設計・申請時は最新の告示・公式資料をご確認ください。